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あじさいのゆめ

29日19時から。

あなたは夢を見ている。
この前のタチの悪い白昼夢ではない。

どこか美しく、
どこか儚く、
どこか恐ろしく、
どこかおかしい。

あじさいが咲いている。
…どうしてだろうか。

あじさいに色がない。

青でも、桃でも、紫でもない。

「そこにあるのは空白。
そこにあるのは全て。

それは君たちであり、
それは僕たちでもある。」

貴方は振り向く。

そこには、どこか酷く懐かしい顔をした、
優しそうな少年が立っていた。

「ようこそ。」

「はじめまして。」

「僕の名前は…」




「◼️◼️◼️◼️◼️◼️。」



貴方はその名前を聞いて、
どう思っただろうか。


驚いている?
畏怖している?
喜んでいる?

けれどそんな貴方を差し置く
あじさい、

「折角会えたけど、時間がない。」


「…また、ここに来て欲しい。」


「願わなくていい。
  祈らなくていい。
君たちはまた、
来てくれるだろうから。」


「…また、明日。」

「また明日、沢山話をしよう。」


「気分によっては、面白いことも教えてあげる。」


「“なりそこない”の言葉でよければ。

まやかしでよければ。

夢でよければ。」


「…君たちが、病気になる前に。」


「また、あした。」